株に興味をもって調べてみたけど、PERとかROEとかのイメージがわかない、という人も多いのではないでしょうか?
企業分析をする上でなんとなく「PERが低ければ割安!」って書いてあるけど、いまいち実感がわかない人もいらっしゃるのでは?
私も株を始めたころはこれらの指標のイメージが全然つかず、なんとなく分かるまで数カ月かかった気がします💦
イメージをつかむポイントは「その指標がどんな定義なのか」よりも「どうしてそんな指標をみたいのか」だと思います。
そこでその内容を、株を始めたばかりの初心者の方にもわかりやすく、この記事をお伝えしようと思います!
この記事では
- そもそもどうしてPER、ROEなどの指標が大切なのか
- これらの指標がどんなことを示すのか
をわかりやすく説明していきます!
そもそもどうしてPERとかROEって大切なの?
PERやROEという指標は、株を買うとき参考になる指標といわれます。
どうしてこれらの指標が大事になるかを考えるために、まずは株をどうして買うのかを考えてみましょう。
そもそもどうして株を買うのでしょうか?
まさにその通りで、株を買う目的は「お金を増やしたいから」というのが最大の目的だと思います。
これを少し言い換えると、株を買うのは「より確実に、より大きくお金を増やしたいから」というのがねらいだと思います。
そうすると、株で買うとき重要なのは
ポイント
- 確実にお金を増やせそうか(=利益が出る可能性が高いか)
- 大きくお金を増やせそうか(=大きく利益を出せるか)
となると思います。
この2つの点で株を評価するために、最初に出てきたPERやROEなどの指標が役に立ってきます。
一方PERやROEなどの指標のイメージをつかむにはもう一つ、株式会社のビジネスのイメージをつけるとわかりやすくなります。
次にそれを説明してきますね。
株式会社のビジネスについて
先ほどのようにより大きな利益を期待できる株を選ぶには、どの株が魅力的か考えないといけません。
それにはその会社がちゃんと利益を返してくれそうか、この先もずっと稼ぎ続けてくれそうか見極める必要があります。
会社は、会社が持っている資産をもとにビジネスを行って、利益を上げます。
その資産ですが、次のように負債と純資産の2種類に分けられます。
このように会社は負債と呼ばれる「いつか返さないといけないお金」と、純資産と呼ばれる「会社自身で持っているお金」でビジネスをしています。
たいていは会社で持っているお金だけおり、誰かからお金を借りた方がビジネス拡大のスピードを上げられるので、このようになっているんですね。
次に株式会社のビジネスのイメージをお見せします。
- 会社は"負債"や"純資産"のお金を元手にビジネスを行います。
- ビジネスを通して、利益を生み出します。
- この利益は、主にビジネス拡大に使われる内部留保と、株主への分け前となる配当に使われます。
このイメージがつかめれば、後はPERやPBRの指標の意味合いがわかると思います。
次にそれぞれの指標について説明しますね!
PER/PBR/ROE/EPSの意味
これから各指標の意味について説明していきます。
具体的に見たほうがわかりやすいと思いますので、次の例をベースにお話しします。
- この会社は負債12000万円と純資産8000万円を合わせた、資産20000万円でビジネスをしています。
- ビジネスで儲けた利益(当期純利益)は1000万円です。
- そのうち600万円を内部留保(主にビジネス拡大)に、400万円を配当のお金にしています。
- この会社の株は10000株発行されていて、今1株1万円です。
PERって何?
PERとは
PER (Price Earnings Ratio) = 株価収益率
と呼ばれます。
Priceは"株価"、Earningsは"収益"、Ratioは"比率"なので、株価と収益の比率=株価収益率ですね。
(私は英語の方が覚えやすかったです。)
PERは「株価が高いか安いか」⇒大きくお金を増やせそうか(=大きく利益を出せるか)という観点で見られます。
先ほどの図でいうと、次の部分になります。
株を買おうと考えている人の視点では、その株を買うとどれだけメリットがあるか?というのが大切になります。
会社が利益を出せていれば、そこから配当をもらえるメリットと、もっとビジネス拡大して来年以降のリターンが大きくなるメリットが望めます。
ですので、会社がどれだけ利益を出しているか、というのが株主がどれだけメリットを受けられるかで重要になりますね。
この例では、株価が10000円で一株当たり純利益が1000円です。
このままの業績が10年続けば、買った株と同じだけの利益を生み出せます。
会社の利益は配当という形か、ビジネス拡大という形でいつかは株主へのリターンとして帰ってくるものですので、「10年たてば元が取れる」というイメージですね。
PBRって何?
PBRとは
PBR (Price Book value Ratio) = 株価純資産倍率
と呼ばれます。
Priceは"株価"、Book Valueは帳簿価額ですがここでは"純資産"の意味合いになります。
Ratioは"比率"なので、株価と純資産の比率=株価純資産倍率ですね。
PBRは「株価が適正であるか」という観点で見られます。
先ほどの図でいうと、次の部分になります。
この例では、株価が10000円で一株当たり純資産が8000円です。
もし会社が解散した場合は、会社の持つ純資産から株主にお金が配分されることになります。
もしPBR=1である場合は、株価と1株当たりの純資産額が等しいので、理論上は買った株と同じ額だけもらえることになります。
今回の例ではPBR=1.25>1なので、解散した時にもらえる金額は理論上は8000円で、株価よりも安くなりますね。
これは会社への期待が高く、会社の価値よりも高く株が取り引きされていることを示します。
(一般にはPBRは1を超えることが多いです。)
ROEって何?
ROEとは
ROE (Return on Equity) = 自己資本利益率
と呼ばれます。
Returnは"収益"、Equityは"純資産"なので、その比率がROE=自己資本利益率になります。
ROEは「会社がうまくお金を使って利益を出せるか」という観点で見られます。
先ほどの図でいうと、次の部分になります。
会社は負債と純資産を合わせたお金を駆使してビジネスを行い、利益を上げていきます。
その中で会社自身が持っているお金=自己資本を元手として、どれだけの利益を上げられているかを示すのがROEです。
会社がどれだけうまくお金を使っているかを示す、というイメージで大丈夫です。
この例では自己資本が8000万円で、当期純利益が1000万円です。
ROE=12.5%となりますが、つまり会社自身が持っているお金を使うと12.5%程の利益を生み出せる実力がある、と読み取れます。
この数値が高ければ会社が稼ぐ能力が高いと見れますので、株を買った後のリターンも期待できる傾向があります。
自己資本比率とは?
自己資本比率とは
自己資本比率 = 自己資本/総資本
という指標もあります。
自己資本比率は「会社がどれだけ堅実なビジネスをしているか」という観点で見られます。
先ほどの図でいうと、次の部分になります。
一つ前に説明したROEは自己資本に対する純利益の比率で、ROEが高いほど会社の稼ぐ能力が高い傾向があると説明しました。
でももしROEが高くても実は負債がものすごく多くて、それに頼って利益を出しているのだと困ってしまいます。
自己資本比率は会社がビジネスで使っているお金のうち、どれだけを純資産で賄っているか⇔どれだけ負債に頼っているかを見ることができます。
この例では総資本が20000万円で自己資本8000万円です。
自己資本比率は8000万円/20000万円=40%になります。
日本の会社の一般的な自己資本比率は平均40%程度ですので、経営に大きな問題はない水準とみれます。
配当性向とは?
配当性向とは
配当性向 = 1株あたりの配当額/1株当たりの当期純利益
という指標もあります。
配当性向は「会社がどれだけ配当にお金をまわしているか」という観点で見られます。
先ほどの図でいうと、次の部分になります。
会社が出した利益は株主への分け前として配当に使われるか、主にビジネス拡大のための内部留保かに分かれます。
そのうち配当にどれくらいの割合を当てているか示すのが配当性向ですね。
配当性向は高ければ良いとか、低いほうが良いなどと一般にはいえないものです。
配当性向が低くても、ビジネス拡大⇒今後の利益の拡大にお金をかける成長性の高い企業は、配当が高くなくても業績が上がるにしたがって株価も上がります。
配当という形でリターンがもらえなくても、株価の上昇という形で株主のリターンにつながるんですね。
たとえは2022年月現在Alphabet(google)は配当性向が0%=配当を出していなかったりします。
この例では当期純利益が1000万円で配当に充てるお金は400万円です。
配当性向は400万円/1000万円=40%になります。
日本の会社の配当性向はだいたい30~40%程度となっていますので、平均とあまり変わらない値とみることができます。
配当利回りとは?
配当利回りとは
配当利回り = 1株あたりの年間配当額/株価
はなじみの深い指標ではないでしょうか?
配当利回りは「株価の何%を配当で受け取れそうか」という観点で見られます。
先ほどの図でいうと、次の部分になります。
この例では株価が10000円で1株当たりの配当金が400円です。
配当利回りは400円/10000円=4.0%になります。
東証1部上場の会社の配当利回りは平均で2%弱程度となっていますので、平均よりも高い配当利回りとみることができます。
実際には株価は日々変動しますので、もし配当金が400円のままで例えば株価が8000円まで値下がりしたら、配当利回りは400/8000=5.0%に上がります。
逆に配当金が400円のままで株価が上がった場合には、配当利回りは下がります。
それぞれの指標について
これまでいろいろな指標について説明してきました。
それぞれの指標は、下の図で示す会社の経営のうち、特色となる一面を切り抜いたものといえますね。
会社の経営状況を示す重要な指標からいくつかをピックアップして、特徴のある数字にまとめたのがそれぞれの指標です。
株を選ぶ際にとても参考になりますので、少しずつ慣れていってみてくださいね。
まとめ
まとめると
まとめ
- PERやPBRなどの指標は、より確実に利益を上げてくれる株を見極めるのに役立つ
- それぞれの指標は会社の経営のうち、特色となる一面を切り抜いたもの
となりますね。
ちなみにPER/PBR/ROEなどは、英語でイメージをつけると覚えやすいので次の通りまとめておきますね。
- P・・・Price (株価)
- B・・・Book Value (純資産)
- R・・・Return/Ratio (収益/比率)
- E・・・Earning/Equity (収益/自己資本)
- S・・・Share (株数)
この記事を読んで株に興味をもてたよ!という方は、是非実際に株にチャレンジしてみることをおすすめします。
絶対に儲かると言い切れるものではないですが、これからの時代は株で資産を増やすことの重要性が大きくなっていくと本当に思います。
株で資産を増やす重要性に関する記事も、近日中に公開予定ですので是非そちらもご覧ください。
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