投資を始めてみたいと思ったとき、一番最初にイメージするのは株への投資でしょうか?
株はよく話題になったり、本や雑誌で取り上げられたりして耳にする機会も多いですよね。
でもいざ投資をしてみたいと思ったとき、自分のお金が増えたり減ったりするのを不安に思う方も多いと思います。
「経済ニュースを毎日見て、正しい判断ができないと大きな損をしてしまうのでは?」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
でも株ってどんなものなのかが分かれば、こういった不安は大きく減らせます!
そこでこの記事では、株を始める前にまず知ってほしい
- 株ってそもそもどんなもの?
- どうして株を買いたくなるの?
- どうして価格が上がったり下がったりするの?
- 株式会社ってどんなもの?
といったことを図を使いながらわかりやすく説明します!
この記事を通して「株ってそんなに難しくないんだ!」と実感してもらえれば嬉しいです。
そもそも株って何?
最近資産運用が大事だという話をよく聞くようになって、株を始めてみたいと思った方も多いのではないでしょうか?
そのためには「株で儲ける"方法"」よりも「株ってそもそもどんなものか」をしっかり理解するほうが近道なんです。
これから、株とはそもそも何なのかを丁寧にわかりやすくお話しします。
最初に比較的単純な例として東インド会社の株のイメージをお話ししてから、今の会社だとどうなのか、順を追って解説しますね。
株ってどんなもの?
株ってどんなものかイメージをつかむには、簡単な例から考えてみるのが一番です!
ここでは、世界最初の株式会社として知られる"東インド会社"を例として、分かりやすく説明していきます!
世界初の株式会社 東インド会社
世界で初めての株式会社は、17世紀に創設された東インド会社だと言われます。
当時貴重で需要の高かった香辛料をはるか海を渡ってインドで仕入れて、オランダに輸入するビジネスを行っていました。
株が登場するのは、香辛料などの輸入ビジネスを新しく始めるときです。
輸入ビジネスを始めるには、船を用意したり乗組員を雇ったり、かなりのお金が必要になります。
ビジネスが成功すれば大きな利益が手に入りますが、失敗すればかかったお金のすべてが損になってしまいます。。。💦
イメージがつきやすいように、仮にビジネスに必要な金額が1億円、成功すれば利益が2億円として考えてみましょう。
そうすると、次のようなイメージになります。
もし一人でこのビジネスを始めれば、成功すれば2億円の利益、失敗すれば最初に投資した1億円の損失です。
ここで株が登場します。
最初にイメージの図をお見せしますね。
初期投資1億円となると金額が大きすぎてほとんどの人が手が出せなさそうですよね。
そこでこんな風に1000株に分けて、1株10万円で成功すれば20万円、失敗すれば0円と細かくすればいろんなひとにこの株を買ってもらえそうです。
一人で1億円のビジネスは始められなくても、株をみんなに買ってもらって、みんなでリスク・リターンをわけあえば始められる!ということです。
こういうところで、株が役立つのですね。
ここまでは新しくビジネスを始める人、起業家にとっての株についてお話ししました。
どうして株を買いたくなるの?
今度は株を買う人の目線で考えてみます。
「10万円の株で成功すれば20万円、失敗すれば0円」という株があると、どんなときにこの株を買うでしょうか?
そうですよね、どれだけ成功しそうかによって買いたいかどうかが決まってきますね。
さてここでは簡単に70%の確率で成功!、30%の確率で失敗・・・💦するとします。
こんなイメージです。
そうすると、この株を買うと10回に7回はお金が倍になって戻ってくることになりますね。
それならこの株を買ってみようという人も多くいそうです。
※株は高い確率でお金が倍になるとお伝えしているわけではないので、ご注意ください!!!
このように
★ビジネスが成功したときに、利益を分けてもらえることを期待して株を買う!
というのが、株を買う理由のいちばん基本的なものになります。
当たり前でしょ!という印象をもたれるかもしれませんが、とても重要なところですので強調させていただきます!
どうして株価が上がったり下がったりするの?
ここまでは株を10万円で買う例をお話してきました。
ところで株価って次のように上がったり下がったりするイメージがありませんか?
株のことを調べると、たいていこんな風に上がったり下がったりする"チャート"が出てきますよね。
まずはこうやって株が上がったり下がったりするのがなぜか、イメージがつくようにお話ししますね!
株の売買について
株が上がったり下がったりする理由を説明する前に、株の売買について少し説明します。
次の図を見てみてください。
先ほどの例では、会社が発行した株を10万円で買うことを考えていました。
こういった株は一度発行されると、上の図の②のように株を売りたい人・買いたい人の間で取引をされます。
株取引の大部分は2のケースとなります。
株の価格がどうして上がったり下がったりするかも、②のように株を売りたい人・買いたい人の間の売買を考えればわかります。
具体例を挙げて説明していきますね。
買った株を売ることを考えるとどうなる?
先ほどの例では1株の値段は10万円で、変わることを考えていませんでした。
ここで10万円で買った1株を誰かに売ることを考えてみましょう。
先ほどの例と同じように船がオランダを出発して、インドとのあいだで香辛料貿易をするときを考えます。
このとき最初に発行された株を、Aさんが10万円で買ったとします。
Aさん
最初に1株10万円で購入!
当時こんなことがあったかわかりませんが、船が無事インドについて香辛料を船に積み込み、あとはオランダに戻るだけとニュースになったとします。
すると、株を持っていなかったBさんはこう考えました。
Bさん
もともとは成功すると思ってなかったけど、あとは帰りの航海だけだから成功しそう?
行きの航海までうまくいったんだから、帰りもうまくいく可能性が高いよね?
それなら株をもってれば利益があがるかもしれない! ちょっと高くても株を買いたい!
一方で最初から株を買っていたAさんは、ぜんぜん違うことを思っていました。
Aさん
行きの航海はうまくいったからよかったけど、ずっとハラハラしっぱなしだった💦
帰りの航海も成功するか心配・・・
少しでも利益がでるなら今のうちに株を売ってしまおうかな?
同じ状況でもAさん・Bさんで考えることが違うんですね。
まとめると次のとおりですね。
そうすると、もともと10万円で売り出された株ですが、10万円より高く売りたい人・高くても買いたい人がいることになります。
今回の場合Aさんが1株14万円で売りたいとBさんに話して、Bさんも14万円なら買いたい、となると1株が14万円で取引されます。
そうすると1株の価値が14万円に上がっているということになるので、株価が10万円から14万円に上がっている、ということになります。
これが株価が上がる仕組みです。
逆に株価が下がる場合も考えてみましょう。
Cさんは最初に発行された株を、10万円で2株で買ったとします。合計で20万円です。
今度は船が無事インドに着いたのはいいですが、悪天候で船のあちこちが傷んでいるとニュースになったとします。
ここで、Cさんは考えました。
Cさん
最初は70%の確率で成功すると思っていたけど、船が傷んでいると失敗の可能性も出てくるな。
2株持っているけど、ビジネスが失敗して全部が0円になったら大変だ!
少し損をしてでもいいから、1株は手放してしまおう!
同じ状況でDさんは考えました。
Dさん
最近株を手放したい人が増えているみたい。
リスクはちょっと怖いけど、もともとの価格の10万円より安く買えるなら買ってみようかな?
同じ状況でもCさん・Dさんで考えることが違うんですね。
まとめると次のとおりですね。
そうすると、もともと10万円で売り出された株ですが、10万円より安くても売りたい人・安く買いたい人がいることになります。
今回の場合Dさんが1株7万円で買いたいとCさんに話して、Cさんも7万円なら売りたい、となると1株が7万円で取引されます。
そうすると1株の価値が14万円に上がっているということになるので、株価が10万円から7万円に下がっている、ということになります。
これが株価が下がる仕組みです。
AさんからDさんまで、みんなお金をなるべく増やしたい・損をしたくないと考えているのに、考え方の違いで株価が上がったり下がったりするんですね。
こうやっていろんな人の考え方の違いで、株価は高くなったり低くなったりします。
ここまでが株価が上がったり下がったりする仕組みの説明になります。
株式会社ってどんなもの?
ここまで東インド会社の例で説明してきました。
少しずつ今の株式会社の株のイメージに近づけていきます!
東インド会社の株は、「最初に売り出される価格が10万円で、ビジネスが成功すれば20万円、失敗すれば0円」とお話ししてきました。
これはオランダから出発してインドで香辛料を買って帰ってくる、という"一回限りのプロジェクト"で、その利益を株を買ってくれた人みんなで分け合おう!という考え方です。
このプロジェクトを何度か繰り返してみて、成功が続いたとするとどうなるでしょうか?
するとこう考えるようになりました。
事業主さん
今は船1つで貿易をしているけど、成功が続くようになってきた。
成功したときの利益2億円は今まで株主で分け合ってきたけど、そのうち1億を使って船をもう1つ用意すれば次の貿易から倍の利益がでるのでは?
そうして増えた利益を株主で分け合えれば、もっと大きな利益を手にすることができる!
それなら、利益2億のうち1億は船をもう一つ作るのに、残り1億は株主で分け合おう!
次の航海で利益4億が手に入ったら、2億は船を増やすのに、残り2億は株主で分け合おう!
こんなイメージになります。
はじめの例と同じように、最初に1000株を発行して1株10万円とします。
1株を買った株主は、最初の航海が成功した時に1億円÷1000=10万円、次の航海が成功した時に2億円÷1000=20万円、
その後も利益を出続ける限り分け前がもらえることになります。
プロジェクトで出た利益のうち一部をビジネス拡大に使えば、より大きな利益を獲得でき、株主で分けあえる金額も大きくなるだろうということですね。
これを繰り返していけばビジネスはだんだん拡大し、株主への分け前も大きくなっていきますね。
これは今の会社でも同じです。
株式会社は商品を売ったり、サービスを提供したりして利益をあげます。
かかったお金(経費)や従業員へのお給料、税金などを除いて最終的に会社に残る利益を"純利益(当期純利益)"と呼びます。
その一部は"配当"として株主に対して利益分け合って、残りは"内部留保"といって会社に残して主に事業拡大の資金源として使われます。
”配当"も"内部留保"も難しい言葉ですが、上の例でいえば
- 2億円の利益のうち1億円を株主で分けた分が"配当"、
- 残り1億円が"内部留保"で、そのすべてを新しい船の購入にあてている
ということになります。
イメージをまとめると次の通りです。
こうやってビジネス拡大でどんどん利益を増やして、株主への分け前も大きくしていくのが株式会社の基本的な目的となっています。
以上が株式会社についての解説になります。
ちなみに参考ですが、、
株を勉強していくと、これから成長する企業は配当が低い、成熟企業は配当が高い、なんてことが言われます。
上の例でみたように、会社が稼いだお金は基本的に配当かビジネス拡大に使われます。
ですので、
- これから成長する企業はビジネス拡大余地が大きい
⇒稼いだお金をビジネス拡大に使うので配当が少なくなる傾向 - 成熟企業はビジネス拡大の幅が限られている
⇒ビジネス拡大に使うお金が限られるので配当が高くなる傾向
ということですね。
有名なところでいうと、アルファベット(Google)の配当はまったく出ないです。
面白いですよね。
以上、余談でした。
まとめ
まとめるとポイントは次のようになります。
ポイント
- 株は大きなリスク・利益を株主で分け合うために生まれたもの
- 株を買うのは、ビジネスが成功したときに利益を分けてもらうため
- 株を高値で買いたい人・売りたい人がいれば、株価があがる
- 株式会社はどんどんビジネス拡大して、株主の利益を大きくするのが基本的な目的
ここのポイントだけを見ると当たり前のことのようですが、株やビジネスがどんな関係かしっかりイメージできることが重要です。
ボンヤリしていた株のイメージがなんとなくついてきた、ということであればとても嬉しいです。
実際投資をする上での考え方も、この先記事にしていこうと思いますので是非ご覧ください。
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