最近お金の話題を耳にすることが多くなった気がします。
お金を貯める動機ですが、最近はもう「お金持ちになって裕福に暮らしたい」みたいなものだけじゃなくなってきましたね。
そんな中、
- そもそもどうして貯金や投資の話題が多くなったんだろう?
- 貯金をした方がいいのはどうして?
こんな風に思う方もいらっしゃるのでないでしょうか?
この記事では、最近お金について考えることが重要になってきた背景・理由についてわかりやすく説明していきます。
お金の話題をよく聞くのはどうして?
最近お金の話題が多くなっているのは、いくつかの理由があるように思います。
投資がしやすい環境になったとか、お金について発信する人が増えたとかありますね。
ただそもそもお金を貯めたり、投資したりすることの重要性が高まっていることも、大きな理由の一つだと思います。
この理由を理解しておくと、どうしてお金を貯めたほうがいいのか実感をもってわかると思いますので、この記事ではこれについて解説していきます。
最初に結論をお話しすると、お金の話題が増えた大きな理由になっている、お金を貯めたり投資したりすることの重要性が高まっている理由は次の通りです。
ポイント
- 日本全体としてお金の課題を抱えていること
- 課題①:人口の課題⇒少子高齢化
- 課題②:日本の借金の課題⇒国債発行額
そもそもどうして貯金や投資が必要なの?
将来のためや万が一のときのために、お金を貯めておくのって重要ですよね。
人生三大支出といわれる住宅・教育・老後資金、それからケガや病気で働けなくなったときのため、お金の備えがあると安心です。
ただこれは昔も今も同じはずです。
数十年前だって住宅・教育・老後の資金は大きく必要でしたし、働けないときのお金も必要でした。
それならどうして最近お金の話題が増えているのでしょうか?
それは日本の状況を考えると対策なしではお金に悩むことが多くなりそうだから、です。
背景にある大きな理由は、日本の人口の課題と国債の課題にあります。
日本の人口の課題⇒少子高齢化
ニュースなんかで少子高齢化という話、よく聞きますよね。
日本の人口の課題は、この少子高齢化が一番よく言い表していると思います。
まず日本の年齢別の人口分布をみてみましょう。ざっと眺めてみてください。
※総務省統計局 人口推計の結果の概要 「https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2.html」
令和3年10月確定値 を参考に作成
上のグラフ、縦軸が年齢、横軸が人口になります。ときどき見るようなグラフですね。
- 下が細くなっている=子どもの数が少なくなっている
- 上の方の比重が大きくなっている=ご高齢の方が増えている
のが分かるかと思います。
少子高齢化といわれているのがこれですね。
20~64歳、65歳以上の人口部分を抜き取ると、次の通りです。
この人口の構造、年金をはじめとする社会保険に影響が大きいです。
老後の年金は、基本的には働いている世代の人から社会保険料を出してもらって、年金を受け取る世代の方に渡す、といった仕組みです。
(※実際には働いている世代のお金以外も使ってまかなってます。心配な方向けに、将来もらえなくなる可能性は低いと思っています)
単純に20~64歳の人が"働いている世代"、65歳以上が"年金を受け取る世代"と考えると、
■働いている世代:年金を受け取る世代 = 68,924千人 : 36,214千人 ≒ 1.9 : 1
となります。
単純にみるなら、働く世代1.9人で年金世代1人を支える形ですね💦
それにこれから先はグラフの0~19歳の若い世代の人々が働く世代に入ってきます。
同時に働いている世代は年金世代に入っていきます。
例えば20年後をイメージすると次のようになります。
今はご高齢まで元気に長生きされる方が多いので、45~64歳の人で20年後も元気に長生きされる方が多いと思います。
そうすると年金世代の方はこれからも多くなり、働く世代は少なくなる傾向です。
繰り返しになりますが、老後の年金は基本的には働く世代の人からの社会保険で、年金世代の方に年金を払う形です。
働く世代がさらに減って、年金世代の方がさらに増えると、もっと厳しい状況になります。
GPIFという機関では年金の原資に充てられるお金の運用をしていて、それを年金の原資にすることもできます。
ただ将来働いている人と、年金を受け取っている人が同じくらいの人数になると、今と同じ水準で支え続けるのは難しそうです。
年金制度を保とうとすれば、簡単に考えると
- 働く世代の方から社会保険料を多くもらう
- 年金世代の方への年金額が少なくなる
などは起こりえます。
一つ目の方は、お給料から引かれる社会保険料が多くなる⇒お金の負担が増える傾向です。
二つ目の方は、老後にもらえる年金の金額が少なくなる⇒老後のお金の備えの重要度が増す傾向です。
どちらを見ても、お金の備えをする必要性が高まっている、といえそうです。
最近法律で高年齢者雇用安定法⇒"70歳まで働けるように企業で取り組む"ことを定めたり、年金を繰り下げできるようにしたりしてるのも、この社会保険料の背景がありそうですね。
以上が日本の人口の課題についてです。
日本の借金の課題⇒国債発行額
次に日本の借金=国債についてです。
たまにニュースで取り上げられ、ご存じの方も多いと思います。
日本の借金は世界的に見ても最も高い水準にあり、2020年の推計ではGDPと比較して256.2%となっています。
財務省のページにわかりやすいグラフがあったので、引用させていただきます。
出典:財務省 「日本の借金を諸外国と比べると」
https://www.mof.go.jp/zaisei/current-situation/situation-comparison.html
ここでGDPは日本の1年間の収入、というイメージでOKです。
1年の収入の2.56倍くらいの借金をしている、ということですね。
現在の国債の金額について、すぐに手を打たなければまずい状況とか、まだ大丈夫な水準とか、賛否両論いろいろあります。
ただこのままのペースで借金が増え続けるのは良くない、という意見は多数と思います。
そうすると借金が増えるペースを下げるためには、次のような手を打つ必要となるでしょう。
1.借金をする額を減らす ⇒ 社会保障の水準を落とすなど
2.返済できる額を増やす ⇒ 税・社会保障の負担額の増加、経済成長による税収を増やすなど
このうち経済成長による税収を増やす方法が取れれば一番いいです。
ですが先ほどお見せした人口の分布の通り、これから働く年代層はこれから少なくなっていくのはほぼ確実です。
働く人の数は減る傾向だと、GDP⇒日本国内で働く人が生み出したモノ・サービスの合計額が、これからも大きく成長していくのは難しそうです。
つまり働く人が減っていく中で、経済成長を大きく進めるのは難易度が高そうです。
そうすると、
- 社会保障の水準が落ちる
- 税・社会保障の負担額が増える
といった、お金の面での負担が大きくなる可能性が高いです。
こちらの状況をみても、お金の備えをする必要性が高まっている、といえそうです。
以上が国債に関する課題です。
まとめ
最近お金の話題が多くなっているのは、ここまでで解説した日本の将来が厳しそう、ということが大きな理由と思います。
その背景として日本の人口の課題と国債の課題について解説しました。
どちらの課題も簡単に解決できそうにありませんので、お金の面での負担は大きくなることを見越して対策が必要そうです。
対策としては
- 将来に備えて、お金の準備をしておく
- いざとなったら、65歳以上でも働いて生活を支えるようにする
などが考えられます。
65歳以上で働くつもりでもリタイアするつもりでも、お金の準備をしておけば生活は楽になりそうですね。
ではどんな準備をすればいいか?については、また記事にまとめる予定ですので今しばらくお待ちください!
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