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【初心者向け】株価の決まり方をわかりやすく解説!

株価ってどうやってきまるの

 

NISAやIDECOなど、資産運用が一昔前よりも身近なものになってきていますね。

株などの投資の話題が出る機会も多くなってきたように思います。

 

そんな中「株に投資してみたい!」と興味が出てきたとき、そもそも株の値段ってどうやって決まるんだろうと疑問に思ったことはないでしょうか?

 

ニュースとか株のチャート(グラフ)とかを見て、なんとなく「株の値段って上がったり下がったりするんだな」と思っても、具体的にどうやって決まるかは意外と知らない方も多いです。

 

そこでこの記事では、株の値段(株価)の決まり方について、図を多く使って投資初心者の方でもわかりやすく解説していきます

 

株価(株の値段)ってそもそも何?

株の値段のことを「株価」といいます。

この株価ですが、誰かが決めた価格というものではありません

では「株価」とは何の価格を指すのでしょうか?

 

それは

ポイント

株が取り引きされた金額 = 株価

となります。

 

例えば今の株価が1000円と言うときは、「直近でその株が取り引きされた金額が1株1000円」ということになります。

 

紛らわしい表現になってしまっていますが、重要なのは

 

ポイント

  • 株価1000円⇒×株が1000円で売られている
  • 株価1000円⇒〇直近で株が取り引きされた金額が1株1000円

ということです。

 

結論が先になってしまいますが、株価が「取引された金額」のことなので、どうやって株が取り引きされるかが分かれば株価の決まり方が分かります

 

そこで、これから株がどう取引されるかをわかりやすく説明していきますね。

 

株ってどうやって取り引きされるの?

株を買うとき、基本的には誰かが持っている株を買うことになります。

 

●●会社の株、というと会社と自分の間で取引をして株を買うイメージを持っているかもしれません。

でも一般的には、「株を買う」というと「すでに株を買った人と株の売買をする」ことを言います。

※会社が発行する株をIPOやPOといった仕組みを通して買うこともありますが、大半はすでに誰かが持っている株を売買すると思って大丈夫です。

 

株の大半は証券取引所といわれる、取引を行う場で売買をされます。

「東証1部」とよく聞くのも、東京証券取引所の市場第1部のことを言います。

 

もし株を売りたい、買いたいと思ったら、基本的には証券会社を経由しこういった取引所を通して売買を行うことになります。

 

取引所で株の売買をしたい人はとても多いので、いくらで何株買いたい人がいるのか、整理をしないといけません

そこで株を買いたいという注文(買い注文)と、株を売りたいという注文(売り注文)を整理するのに使われるのが「板(いた)」というものです。

 

この「板」を理解できれば、株がどうやって取引きされるかが分かるのですが、その前に株はどう注文されるかを知る必要があります。

そこで株の注文の仕方からお話しします。

 

株の注文の仕方について

株の注文の仕方には指値注文と成行注文があります。

それぞれ次の通りです。

 

  • 指値注文:買いたいor売りたい値段を指定して注文する方法
  • 成行注文:買いたいor売りたい値段を指定しないで注文する方法

 

ここに書いてある通り、株を売買したい値段を指定するかどうかが違ってきます

株での投資を始めると、この指値注文・成行注文を実際にすることになるので重要なポイントです。

 

買い注文と売り注文の一覧表 = ”板”について

証券取引所で株の買い注文・売り注文をする人はとても多いです。

そこで使われるの先ほどの「板(いた)」と呼ばれる買い注文・売り注文をまとめた一覧表です。

 

少し例を挙げて解説していきますね!

例えば次のように、株の売り注文と買い注文がたくさん出ている状況を考えます。

 

様々な売り注文と買い注文

これだとどんな注文があるのかわかりにくい・・・

 

証券取引所にはとても多くの注文が集まります。

上のように注文を受けているだけでは、全体像を把握するのは難しいですね。

 

そこでまずは、売り注文と買い注文を表にまとめてみます

次の表を見てみてください。

 

売り注文と買い注文の表

ちょっとわかりやすくなったかな?

 

こうして表にしてみると、どのくらいの注文があったのか分かりやすくなりますね。

でも上の表をみると株を売りたい・買いたいの両方に、「株価いくらで?」という項目があります。

 

そこで「株価」を共通の項目として1つにまとめると次の通りです。

 

"板"の例

 

このように株の買い注文・売り注文をまとめた一覧表のことを"板(いた)"と呼びます。

いくらの注文がどれくらいあるのか、一目瞭然にわかりますね。

 

株取引の原則について

株の取引は2つの基本的なルールに従ってやり取りされます。

それは

  • 価格優先の原則
  • 時間優先の原則

です。

 

難しいものではなく、価格優先のルールは

  • 買い注文なら「より高く買ってもいいよ」という注文が優先される
  • 売り注文なら「より安く売ってもいいよ」という注文が優先される

というものです。

 

時間優先のルールは

  • 同じ金額の買い注文or売り注文は、早く注文された方が優先される

というものです。

要は「早い者勝ち」ということですね。

 

以上で株価の決まり方を説明する前提がそろいました。

ここから、株価が決まる仕組みを説明します。

 

ザラバ方式、寄り付きの2つに分かれる

株の取り引きの仕方は、

  • ザラバ方式
  • 寄り付き

の2つに分かれます。

 

証券取引所の取引時間中は「ザラバ方式」で、取引時間外は「寄り付き」と思えばOKです。

 

ザラバ方式について

まずはザラバ方式の方から見ていきましょう。

(指値の処理についてもあわせて説明してしまいます。)

 

まず次のように指値注文が入った時を考えます。

 

指値注文の例

 

Aさんが指値注文で、上の会社の株を1100円で10株売りたい、と注文したとします。

そうすると、上に示す板で1100円の売り気配の欄に10株が加わり、15株⇒25株に変わります。

 

指値が新しく入ったときには、このように注文が今の板に反映されて、情報が更新されるようになっています。

 

では成行注文が入ったらどうなるでしょうか?

次の例を見てください。

 

成行注文の例

 

成り行き注文は「売買したい価格を指定せずに行う注文」です。

簡単に言えば、いくらでもいいからとにかく●●株だけ買いたい!という注文の仕方です。

 

上での例では、Bさんは成り行き注文で25株の注文をしており、取引の処理は次の流れで行われます。

  1. まず1050円で売り注文があった10株分の売買が成立(約定)します
  2. Bさんの買い注文は15株分だけ残ります
  3. 次に1100円の売り注文がある25株から、15株分だけBさんの注文と売買が成立(約定)します
  4. 1100円の売り注文は25株中15株だけ約定するので、差し引き10株分の注文が残ります

 

さて、Bさんが買いの成行注文を出した時には、この会社の株価は1050円でした。

Bさんが購入した株は1050円で10株、1100円で15株、1株あたりは1080円で購入したことになります。

 

Bさんが買おうとしたときの株価は1050円でしたが、購入の単価は1080円になるのですね。

成行注文ではこうしたことが起こりますので、注意が必要です。

 

またBさんの成行注文が約定した後の株価は次のようになります。

 

注文の約定後に株価が変わる図

 

株価は、直近で売り買いが成立した価格をいうのでした。

今回では最後に1100円で取引がされているので、株価は1100円になります

 

一方で、Aさんが1100円で指値注文をしていたものはどうなったでしょうか?

次のようになります。

 

時間優先の原則の例

 

株取引のルールとして、「時間優先の原則」というものがありました。

先に1100円で15株の指値注文が出ている中、Aさんは後で1100円で10株の指値注文を出しました。

 

このため

  • 先に出ていた15株分の売り注文が約定され
  • Aさんの注文はまだ約定してしない

ことになります。

 

寄り付き

先ほどの例は、取引時間中の話をしました。

東京証券取引所などは、取引時間が9:00-11:30、12:30-15:00の間となっています。

 

一方で取引時間外に注文を行った場合は、その時点では取引は成立せず取引ができる時間になってから約定が始まることになります。

その際には時間外に出された注文がたまっていますので、先ほどとは違う形で決まることになります。

 

次のように注文が積みあがった場合を考えてみましょう。

 

寄り付きの例

 

この場合に注文がどういう流れで処理されるのかを見てみましょう。

まず成行注文をみます。

 

寄り付き①

 

成行の売り注文と買い注文の10株分が約定され、買い注文が15株分残りました

次にこの残った成行の買い注文の15株分を処理します。

 

寄り付き②

 

成行の買い注文を、指値で一番高い1100円に加えます。

1100円の指値注文が25株分になります。

次に最も安い金額の売り注文と、最も高い金額の買い注文を処理します。

 

寄り付き③

 

最も安い売り注文の「950円で15株」と、最も高い買い注文の「1100円で25株」約定させます。

この場合は、差し引き「1100円で10株」の買い注文が残ります。

この後も最も安い金額の売り注文と、最も高い金額の買い注文を繰り返し処理していきます。

 

寄り付き④

 

まだ売り注文と買い注文が残っているので、続けて約定させます。

 

寄り付き⑤

 

1050円での買い注文と売り注文が、5株分約定します。

そうすると他に約定できる注文が無い状態となります。

最後に約定した1050円が株価となり、一番最初の株価になるので始値」と呼ばれます。

 

始値の決定

 

以上のように買い注文売り注文を順番に約定させていって、最後に始値がきまるのが寄り付きでの株価の決まり方です。

このとき約定した株はすべて始値=1050円での取引になります。

 

寄り付き時の約定金額

 

上の図で赤字で示しているものが、寄り付きで約定した株になります。

その金額はすべて始値の1050円となります

 

以上が寄り付きの説明です。

 

まとめ

まとめるとポイントは次のようになります。

 

ポイント

  • 株価は最後に取引された金額
  • ザラバ方式寄り付き方式での株の決まり方がある

 

株価の決まり方について、具体的に解説をしてきました。

どうやって株価が決まるのかイメージをつけてもらえたら嬉しいです。

 

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