投資

ドルコスト平均法ってなに?メリット・デメリットを含めて詳しく解説!

ドルコスト平均法って何

 

分散投資や長期投資についての説明の中で「ドルコスト平均法」という名前が出てくることがありますよね。

これってどんな投資法なのでしょうか?

 

投資を始めようと思ったとき、難しい言葉がいろいろ出てくるととっつきにくくなりますよね。

この「ドルコスト平均法」も、名前は難しいですがとても分かりやすい、基本的な投資の方法になります。

これから投資を始める方は知っておいて絶対損はない方法です。

 

そこでこの記事では

  • ドルコスト平均法とはどんな投資のやり方?
  • どんなメリット・デメリットがあるの?

ということを、具体例を挙げながらわかりやすく解説していきます!

 

ドルコスト平均法ってなに?

ドルコスト平均法というのは、分散投資のやり方の一つです。

 

どんなやり方かというと、

ポイント

株や投資信託などの投資商品を、定期的に同じ金額だけ買う投資のやり方

のことを言います。

 

難しい名前だけど、意外と単純なやり方なんだね!
そうなんです。長期投資で特に効果のある、基本的な投資のやり方ですのでわかりやすく解説してきますね。
さくごま

 

そもそもどんな投資のやり方があるんだろう?

株や投資信託などに投資をするとき、買うタイミングを1度だけにしないで、何回かに分けて=時間分散して買うことで、投資のリスクを下げられます

 

それでは分散投資をしたいと思ったとき、具体的にいつ・どのくらい買うやり方があるのでしょうか?

 

"いつ買うか?"に関しては、単純に「(1週間ごと・1カ月ごとなど)定期的に買う」ことにします。

それでは"どのくらい買うか?"ですが、代表的な2つのやり方があります。

 

  1. 決まった金額だけ定期的に買うやり方(ドルコスト平均法)
  2. 決まった株数だけ定期的に買うやり方(定量購入法)

 

ドルコスト平均法は、定量購入法に比べて株を購入するコストを低く抑えることができます。

これがどうしてか、これから解説していきますね。

 

ドルコスト平均法の例

ここから株を例として説明していきますね。

次のような会社の株をドルコスト平均法で買うことを考えます。

 

ドルコスト平均法の例(株価グラフ)

 

この会社の株は1月に100円でしたが、株価のアップダウンを経て10月に600円になりました。

 

ドルコスト平均法は決まった金額を定期的に買う」投資のやり方です。

ここでは"決まった金額=12,000円"だけ、"定期的=1カ月ごと"に購入した場合を考えます。

 

それぞれの月で購入した株の数は次のようになります。

 

ドルコスト平均法の例

1月~10月に12,000円ずつ株を買ったので、出したお金は合計で120,000円になります。

合計で500株になるので、1株あたりは120,000円÷500=240円で買えたことになります。

 

定量購入法の例

同じ会社の株を定量購入法で買った場合と比較してみましょう。

先ほどの会社の株を定量購入法で買うことを考えます。

 

定量購入法の例(株価グラフ)

 

定量購入法は、「決まった株数を定期的に買う」ような投資のやり方です。

ここでは"決まった株数=40株"だけ、"定期的=1カ月ごと"に購入した場合を考えます。

 

それぞれの月で購入した株の数は次のようになります。

 

定量購入法の例

 

今回は合計400株だけ購入できました。

株の購入に使った金額はいくらになるでしょうか?

■1月:100円×40=4000円、2月:200円×40=8000円・・・

と計算していくと、1月~10月で合計120,000円になります。

 

ごまこ
あれ?さっきの例と同じ金額だね!

 

同じように1株あたりの金額を計算すると120,000円÷400=300円で買ったことになります。

これはドルコスト平均法で買った場合の1株あたり240円と比較して高い値段になっています。

 

どうしてこのような差が生まれたのでしょうか?

次で比較をしながら解説しますね。

 

ドルコスト平均法と定量購入法の比較

ドルコスト平均法定量購入法で、毎月買った株の量を比較すると次の通りです。

 

ドルコスト平均法と定量購入法の比較

 

1月や2月、6月、7月の株価が安いときに、ドルコスト平均法では株を多く買っています

一方で4月や9月、10月のような株価が高いときには、ドルコスト平均法では株を買う量が少なくなっています

 

このように

ポイント

ドルコスト平均法では、株が安くなった時に多くの株を買えるので、株の購入単価(買った価格の平均値)を比較的低く抑えられる

というのが大きなメリットになります。

 

ドルコスト平均法のメリット・デメリット

ドルコスト平均法のメリット

メリットは次の通りです。

  • 株の購入単価を比較的低く抑えられる
  • 買うタイミングを迷わない

 

1つ目のメリットは先ほどお伝えした内容です。

2つ目は買うタイミングを迷わない、ということです。

 

2つ目の方を追加で説明しますね。

まず未来の株価の動きは、残念ながら誰にも予測ができません

 

株の動きの例

 

上のグラフで、"現在"の位置まで株価の動き方がわかっているとします。

 

もしこの先株価が上がると思えば、「株が高くなる前に、今のうちに株を買っておきたい」と考えると思います。

逆にこの先で株価が下がると思えば、「もと株が安くなってからら株を買いたい」と思うでしょう。

 

でも株価の動きは誰にもわかりません

買おうかどうか迷っているうちに、株価がさらに高くなってしまってより買いにくくなってしまう、というのはよくある話です。

 

しかしドルコスト平均法で買っていく場合は、買い始めた直後に株価が上がるか下がるかは、あまり重要ではなくなります

例えば、1カ月ずつ100回に分けてドルコスト平均法で株を買う場合、株を買った価格の平均購入した期間で大体決まってしまいます

 

今年の1月にドルコスト平均法で投資を始めた場合と、2月に始めた場合では、100回中99回は同じタイミングで株を買うことになります。

そうすると株の購入単価は「99回の購入」の方で大体決まってしまいますから、いつ始めるかを迷いにくいです。

 

この買うタイミングを迷わないで済むというのは実際に株の取引をするとき、とても大きなメリットになります。

 

株の売り買いをしてみると実感されると思いますが、本当に買うタイミングには迷います。

いざ買ってもそのあとの株価の動きが気になってしまうことも多いです。

 

でもドルコスト平均法であれば、買うタイミングを迷いにくいので非常に心強いです。

 

簡単にまとめましたが、以上がドルコスト平均法のメリットです。

 

ドルコスト平均法のデメリット

一方デメリットは次の通りです。

 

デメリット

  • 長期的に株価が上昇しなければ、損失が出ることもある
  • 右肩上がりの株であれば、集中投資の方が利益が大きくなる。
  • 株の購入手数料がかかると不利になる

 

長期的に株価が上昇しなければ、損失が出ることもある

ドルコスト平均法は、定期的に一定の金額だけ投資商品を購入していく方法です。

 

長期的にみて購入した株の購入単価を比較的抑えることができ、株価が上がれば利益を出せます。

ただ逆に長期的にみて株価が下落していくことも起こりえます

 

長期的に株価が下がっていく場合

こういう場合は株の購入単価を抑えることができても、その金額よりも株価が下落してしまえば損失が出ることになります。

投資は必ずリスクをはらむものですので仕方がないのですが、ドルコスト平均法も万能ではないと覚えておきましょう。

 

右肩上がりの株であれば、集中投資の方が利益が大きくなる

次に右肩上がりの株である場合です。

この場合は集中投資の方が利益が大きくなります。

 

右肩上がりで株価が上がる場合

 

上の図の例を考えると、ドルコスト平均法では株価が低いときから高いときまで8回に分けて投資をしています。

しかし1回目の投資をするときに一度に株を買ってしまった方が、安い価格で株を多く買えることになるので利益は大きくなります

 

ドルコスト平均法は、あくまでリスクを抑えた上で株の購入単価を低く抑えやすい方法で、リターンが最大になる方法ではない、ということですね。

これもとても重要なポイントです。

 

株の購入手数料がかかると不利になる

株を購入する際には、手数料がかかることがあります。

例えば1回の取引で500円の手数料がかかる場合は次のようなイメージになります。

 

手数料がかかる場合

 

10回に分けて株を購入すると、手数料は合計で500円×10=5000円かかることになりますね。

そうすると手数料分の損の金額も大きくなってくるので、投資のリターンを下げる要因になってしまいます。

 

これはドルコスト平均法だけでなく、時間分散(買うタイミングを分けること)で購入する場合にはいつでも、課題になることになります。

 

ドルコスト平均法を使うのはおすすめ?

ここまで説明してきましたが、結論として私は

★ドルコスト平均法を使うことをおすすめします!

 

先ほど挙げたデメリットに沿って、なぜおすすめなのかを解説します。

 

デメリット:右肩上がりの株であれば集中投資の方が利益が大きくなる、について

まず「右肩上がりの株であれば、集中投資の方が利益が大きくなる」ことについてです。

 

これはそもそもドルコスト平均法に代表される時間分散の投資をする大きな目的は、投資のリスクを下げるためです。

投資にはリスクが小さくなればリターンも小さくなる関係性があるので、集中投資よりもリターンが少なくなるのはいわば当たり前となります。

 

集中投資よりもリターンが小さくなっても、リスクを減らしたい目的で時間分散の投資を行うので、これは大きなデメリットにはならないと考えます。

 

デメリット:株の購入手数料がかかると不利になる、について

次に「株の購入手数料がかかると不利になる」ことについてです。

 

これは購入手数料がかからない商品を選ぶことで、このデメリットを解消できます。

ここでは例として株を上げましたが、投資信託などで購入手数料無料の商品があります

 

投資信託は100円ほどの少額から購入できるものも多いですし、商品自体が銘柄分散・セクター分散・地域分散などの分散の考えを含んでいるので、ドルコスト平均法ととても相性がいいです。

 

ドルコスト平均法を行う場合には、基本的には手数料無料の商品を選ぶ!と思っておくぐらいが良いと思います。

 

デメリット:長期的に株価が上昇しなければ、損失が出ることもある、について

最後に「長期的に株価が上昇しなければ、損失が出ることもある」ことについてです。

 

これは株の投資全般で課題になることです。

「絶対に儲かる投資なんてない」ということを示しています。

 

ドルコスト平均法は基本的に長期での投資を前提としていますが、長期的に株価が絶対に上がるとは言い切れません

ただ短期的な株の値動きも正確に予想することはできませんので、結局は投資をする限り損失が出る可能性は考慮しておく必要があります。

 

ただ長期的にみれば、会社の成長や経済の成長にともなって、価格があがることの期待できる投資商品もあります。

 

ドルコスト平均法は、あくまで選んだ商品を"購入する方法"として、リスクを抑えることができます。

選んだ商品自体が長期的に価格が落ちるリスクがあるのであれば、それは"買い方"の問題でなく"選び方"の問題となります。

 

逆に長期的に価格の上がる商品を適切に選ぶことができれば、それに投資をする手法として「ドルコスト平均法」はいい方法といえると思います。

 

 

まとめ

まとめるとポイントは次のようになります。

ポイント

  • ドルコスト平均法とは、定期的に決まった金額だけ投資商品を買うやり方のこと
  • メリットは購入単価を抑えられることと、買うタイミングを迷わないこと
  • デメリットは損失が出たり利益が小さくなる場合もあることで、万能の投資手法ではないこと

 

ドルコスト平均法について解説をしてきました。

この記事を通して、「ドルコスト平均法ってこんなものなんだね!」とイメージをつけてもらえたら嬉しいです。

 

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